世界一料理がまずい国がイギリス?

当ブログ、「イギリス・ロンドンそしてアイルランドのB&Bとホテルやグルメ」では、イギリスとアイルランドのグルメをテーマとしています。

2014年3月14日に放送された日本テレビ系列の「なんでもワールドランキング ネプ&イモトの世界番付」では、「世界最悪の料理はどこの国か?」というインターネット投票をもとにしたランキングが公表されました。

◯ 料理がまずい国(98カ国)

  • 1位 イギリス 30.5%
  • 2位 アメリカ 10.1%
  • 3位 ロシア   3.1%

そもそもイギリス料理では、フィッシュ・アンド・チップス、ローストビーフ、パイなどが代表的な料理であると言われています。

しかし、これらの料理を始めとするイギリス料理は世界的にまずい料理としてグルメにも知られているようです。

実際例として、フランスの元シラク大統領はある首脳会談の際に、「イギリス料理のようにまずい料理を作る国は信用できない」とコメントしたことがあるほどです。

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では、何故イギリス料理が美味しくないとされているのでしょうか。

街頭でインタビューなどすると、イギリス人は自分たちの国の料理がまずいとは思っていないようです。

特に、フィッシュ・アンド・チップスは美味しいと思っているようです。

しかし、ロンドンの街頭にいる外国人観光客は、自分の国の料理のほうが美味しいと思っていることも間違いがありません。

私も、ロンドンやコッツウオルズなどで実際にフィッシュ・アンド・チップスを食べた経験から言うと、不味くもないが、それほど格別美味しいとも思いませんでした。

私は、もともとポテトチップス、フライドポテトが大好きなのでそう思うのかもしれませんが、同行のKさんはフィッシュ・アンド・チップスを食べ続けるのは苦手のようでした。

フィッシュ・アンド・チップスは、一般的には冷凍の白身魚と短冊状のポテトを20分ほど揚げたものです。

Fish and chips

熱々のフィッシュ・アンド・チップスに、お好みで酢・ビネガー、塩をかけていただきます。

日本人の感覚では、若干火を通しすぎていることは否めません。

フィッシュ・アンド・チップスの全国大会も行われており、イギリス全土のフィッシュ・アンド・チップスが不味いものではありませんが、なかなか美味しい食べ物という感覚を日本人には持ちにくいようです。

イギリスの家庭ではどうでしょうか。

私は、ずっと前にイギリスの家庭のクリスマスパーティに招待されたことがあります。

家族やその友人達7人~8人位のこじんまりとしたものでしたが、その家庭で作ったような料理はほとんどなく、豆などの乾き物や、チーズ、ハム・ソーセージがほとんどでした。

ただ、デザートにイギリス名物の手作りトライフルがでてきましたが、これもオーブンで焼いたようなものではなく、フルーツとスポンジケーキ、ジュース、生クリームを混ぜ合わせたもので、スポンジケーキは市販品を使うことが多いようです。

trifle
By flickr

せめて、チキンの丸焼きかローストビーフくらい出てくれば良かったのですが。

一般的なイギリスの夕食でも、冷凍野菜やマッシュポテトを電子レンジでチンして、さらに缶詰のコーンを電子レンジで温めて、チキンをオーブンで焼くなどしています。

チキンを焼くにしても、日本のようにジューシーに焼けるようあまり焼き過ぎないように気を使いますが、イギリス人の感覚はそのようなものではなく、かなりの時間焼着すぎてしまいます。

ローストチキンにかけるグレービーソースも粉末ソースをお湯で溶いてお終いという風です。

最近はそうでもないようですが、一般家庭の料理への意識はそれほど高くないと思います。

イギリスの食文化に詳しい専門家が次のように分析しています。

イギリス人の食意識が低いと言われる理由の一つに産業革命があります。

18世紀に起こった農業から工業へと社会が移り変わった18世紀後半の技術革新により、急激に多忙となった人々は料理をする時間も無くなり、食への意識も低下していきました。

また、当時から階級社会が根強かったイギリスでは、大半の庶民は貧しく、新鮮な食べ物が手に入りづらいものでした。

そのため、シッカリ火を通すことが重要で、つい焼き過ぎてしまう調理法が良いものとして浸透してしまいました。

不味いと言われる英国料理の中で、観光客に特に不評と言われている料理があります。

それがウナギのゼリー寄せです。

ぶつ切りにした生のウナギを香草などと煮込んで冷やしたもので、ウナギを煮込んだ時に出てくるコラーゲンが固まり、プルンプルンしたゼリー状の中にウナギがあります。

ロンドンのイーストエンド地区のご当地グルメの一つですが、サッカー選手のベッカムも大好物だそうです。

私も、今回のロンドン滞在中に実際にイーストエンドまでわざわざ食べに行きました。

参考記事:F.COOKE ロンドン下町のグルメなウナギとパイ&マッシュの店に行きました。

ウナギのゼリー寄せは、ウナギのぶつ切りで色もさえずに、たしかに見た目が悪いのですが、実際に食べてみるとウナギの旨さも感じられ言われるほど不味くはありません。

ウナギのゼリー寄せF.COOKEのウナギのゼリー寄せ

これだけでなく、ウナギのパイ&マッシュと一緒に下町の味として食べればよく、再度ロンドンに行く機会があればもう一度食べに行こうと思っています。

しかし、最近のイギリスでは、急激に食への意識が高まってきており、イギリス料理店でミシュランの星を獲得するレストランも現れてきています。

最新の英国・アイルランド版のミシュランガイド2014では、イギリス国内では167軒が星を獲得しています。

私達がコッツウォルズで宿泊したマナーハウスホテルのロード オブ ザ マナーのレストランもミシュランの一つ星でした。

もっとも、完全なイギリス料理ではなく、地元の料理とフレンチをミックスしたようなレストランでした。

参考記事:ミシュラン星付きレストランでディナー ローズオブマナーホテル コッツウォルズ

ミシュランの三つ星店でイギリスでも話題になっているのが、ヘストン・ブルメンタールシェフのイギリス料理店「The Fat Duck」です。

このレストランは、BerkshireのBrayにあります。

旬の食材を使ったイギリス料理はもちろんこのと、オードブルにドライアイスを使ってスモークを出すなどの演出など独創的な食事を楽しむことができます。

前菜にも、ロリポップ状のアボカドのムース、アイスキャンディーの形をした鶏のレバーなど見た目から想像もできない味や食感を提供しています。

また、庶民が食べているフィッシュアンドチップスでも、ナショナル フィッシュ&チップスアワード2014優勝の「Poppies」などが出てきています。この店は行列ができるほどの人気店です。

Poppiesは、ロンドンのSpitalfieldsとCamden Townにあります。

最後に、あまり芳しくないイギリス料理ですが、例外があります。それは、フル・イングリッシュブレックファストとアフタヌーンティーです。

「イギリスで一日中美味しいものが食べたければ、朝食を3回食べなさい。」ということわざがあるほどです。

また、アフタヌーンティーについても、同行のKさんが感激したマナーハウスホテルのアフタヌーンティーに関する次の記事を参考にしてください。

参考記事:コッツウォルズのローズオブマナーホテルでアフタヌーンティー Afternoon Tea at Lords of the Manor Hotel 

なお、ロンドンの美味しいレストランやアフタヌーンティーを日本語で予約するには、次のサイトがありますのでご利用ください。

日本語でロンドンのレストラン・アフタヌーンティー予約

(参考画像)

Michelin Guide 2015 London