日本が世界に誇る食文化である「和食」が、ユネスコ、国連教育科学文化機関の無形文化遺産に12月に登録される見通しとなっています。

登録が決まれば、世界で5番目の食に関する無形文化遺産となります。

イギリス・ロンドンでも、和食は様々な楽しみ方がされています。

和食とは、日本人の伝統的な食文化を指すようです。

そもそもユネスコの無形文化遺産とは、世界各地の祭礼や芸能、週間などを登録して保護する制度です。

すでに、日本では歌舞伎、祇園祭、人形浄瑠璃などが無形文化遺産として登録されています。

和食は、一汁三菜を基本として、四季や地理的要因の多様さに基づいて新鮮な魚介類、野菜を用い、美しい盛り付けがあり、正月や田植などの年中行事と密接に関わっています。

ポイントとしては、一部の人しか食べられないような高級な和食ではなく、一般に誰もが食べられるような庶民的なものがWASHOKUとされています。

これまで、食に関する無形文化遺産は、フランスの美食術、スペイン、イタリアなどの地中海料理、メキシコの伝統料理、トルコのケシケキ(麦粥)の伝統の4つが認められています。

ユネスコの登録に尽力してきた京都の老舗料亭「菊乃井」の村田吉弘氏は、「和食は世界に打って出なくてはいけません。世界中で和食をやっている人はこれで勇気づきます」と述べています。

ロンドンでは、寿司「wasabi」、「wagamama」、日本料理レストラン「CHISOU」、寿司レストラン・テイクアウトの「GO CHISOU」、「NAGOMI」、「YO! Bento」、「MATSURI」などの看板が目立ちます。

ロンドンっ子にも、日本食は健康的でさっぱりしており、胃にもたれないと好評です。

ジェトロ、日本貿易振興機構の調査では、2007年に約400軒であったロンドンの和食レストランは、2013年には約700軒と1.7倍に急増しています。

中でも人気なのがやはりお寿司です。

ロンドン中心部のターミナル駅、セント・パンクラス駅などの構内にも回転寿司の店ができています。箸と一緒に2枚の板が置いてあり、組み合わせると箸が苦手な外国人にも箸のように使用できます。

また、「KISAKU」という日本レストランでは、寿司の売れ筋はマグロとサーモンですが、穴子をなどに見立てたドラゴンロールなどもあります。

しかし、異様というか変わり寿司というか、揚げ寿司がありサクサクとした食感でもはや寿司ではないという代物もあります。

一方、庶民的な寿司店だけではなく、高級な日本料理店も大人気です。

「祭 セント・ジェームス」の本格的な和食コースは、最も高いもので2万3千円とかなり値が張ります。

しかし、ロンドンの人の中には、いくら出しても構わないという人も多いようです。

祭 セント・ジェームスの関係者によると、和食が世界遺産に登録されて大事なことは、ちゃんと品質を守れるかどうかが一番大事だと考えているそうです。

店の形式、サービス、料理をちゃんと今のまま守ればユネスコの無形文化遺産に値します。

遠く離れたイギリス・ロンドンで人々の舌も心も惹きつけてやまないのが日本食です。