ナローボート Narrowboat AT EASE号でB&Bクルーズ(1泊2日)しました。

今回のイギリス・アイルランドの旅の目的の一つがナローボート Narrowboatの乗船体験をすることでした。

同行のヨット仲間のKさんは、ヨット専門誌の「舵」の記事でナローボートを知りました。

私は、ナローボートに関するテレビ番組を見たことがありました。

そんな二人が、いつしかナローボートを体験したいと思っていたところ、ひょんなことから一緒にイギリスに行ってナローボートに乗ろうということになり、今回のイギリス旅行となりました。

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ナローボートとは、細長いボートを意味しますが、イギリスの内陸水運用に使用されたもので、狭い運河で運航されるため最大幅が、7フィート(約2.1m)のボートです。

長さは規制がないようです。

ナローボートは、イギリスの産業革命後、石炭などの物資を運ぶために運河がいくつも建設され、18世紀から20世紀初頭にかけて造られた荷役船でした。

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エンジンのない時代には、運河の横にトウパスと呼ばれる側道が設けられ、乗員が先導する馬でボートを曳きました。

ナローボートは、イギリス内陸水運の主力でしたが、蒸気機関やディーゼルの汽車があらわれると次第に衰退して行きました。

貨物用のナローボートは1945年あたりで絶滅しましたが、現在では水上生活用や観光」・レジャーなどで盛り返してきており、3万隻ほどあるそうです。

さて、今回私達がお世話になったのが、ナローボート AT EASEです。AT EASEとは、にほんごで「お気軽に」と言う意味や軍隊などの号令で「休め」を意味するそうです。

このボートは、アンディ ブラウンさんと妻のブラウンあつこさん二人で運営されています。

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実は、愛犬のプークも一緒だったのですが、残念ながら今年1月に亡くなったそうです。

AT EASEは、お二人にとって2隻目のボートで、ナローボートの船体を購入し、内装や外装を二人で作りこみ2010年に完成させたものです。

あつこさんも、電装関係のため、配線図を勉強したそうです。

船内の造作は全てお二人の労作で、とても素人が造ったとは思えないできでした。

AT EASEでは、色々なナローボートのクルージングが楽しめます。

ショートクルーズは、2時間半程度のクルージングです。

B&Bクルーズは、1泊2日でクルージングし、夕食は田舎のパブで取り、船内泊して朝食は船内でイングリッシュ・ブレックファストをいただくもので、一番人気があるコースです。
ただし、1泊2日といっても、出発は16時30分で帰着は翌日の11:30です。

プライベートチャーターは、2泊3日~10日11日程度チャーターしてイギリスをめぐるものです。
これが、一番ナローボートクルージングの醍醐味を味わえると思います。

で、私達が選んだのは、B&Bクルーズの1泊2日コースです。

シェークスピアの生地で有名なStratford upon Avon駅から1駅目の Wilmcote駅に16時30分頃着くと、駅にお二人が迎えに来てくれていました。

そこからボートまでは5分くらいです。

荷物をキャビンに入れるとすぐにWootton Wawenへ向けて出航します。

スピードは、護岸保護のため波が立たない程度に規制されていますから3ノット~4ノットくらいでしょうか。

途中、アンディさんが舵を握ってみてはということで、握ってみましたが、ヨットに比べてかなり舵の利きがスローで重たいものでした。

当然、後進時の舵の利きは相当に悪そうです。

運河自体は、流れもなく当然波もなく、全くの平水面状態でナローボートは滑るように進みます。

途中、水面高調節のための水門(ロック)やアクアダクト(水道橋)などを通過したり、イングランドの美しい緑豊かな風景を楽しみながらの快適で楽しいクルージングでした。

2時間くらいで目的地のWootton Wawenに到着し、もやいを取った後は、Kさんと二人で停泊地近くのパブで夕食を取り、その後は、ナローボートのキャビンで宿泊しました。

翌朝は、船内でブラウンあつ子さん手づくりのイングリッシュ・ブレックファストを楽しんだ後、
Wilmcoteに11時30分前に到着しました。

これで、料金は135ポンド、当時のレートで2万円ちょっとですから、ナローボートの体験と宿泊できるのですからぜひ、これからイギリスに行かれる方にはおすすめです。

ちなみに、他のナローボートとは異なり、AT EASEでは日本語が使用出来ますし、ブラウンあつ子さんの知識がハンバではないイギリスの運河やナローボートの説明がありますので、これだけでも圧倒的に他船より良いと思います。

なお、AT EASEのように同行のガイドが操船する案内・宿泊付きのいわゆるホテルボートは、イギリスで20隻もないくらい少数です。

ホテルボート以外は、ハイヤーボートと言って、出港時に船の操作や運河の通行方法などの説明を受けて、あとは自分たちだけで運行するスタイルが圧倒的に多いようです。

船の操作自体は、ビデオでご覧のように簡単で、後は水門(ロック)などの運河の通行方法を体得すれば、自分たちだけでロングクルージングも可能かと思いますが、やはり事前にB&Bクルーズくらいは経験しておいたほうが良さそうです。

◯ ナローボート AT EASE

B&Bクルーズ 
出発地 Wimcote駅近く
集合時間    16:30
到着時間    11:30 (翌日)

営業期間 冬季等はお休みです。AT EASEの空き状況カレンダーでご確認ください。


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ロンドン市内の運河でナローボートのクルーズが体験できます。

AT EASE号での運河クルーズはいかがでしたでしょうか?

ナローボートで運河クルーズをしてみたいと思われても、ストラトフォード・アポン・エイボンまで行かなければならないし、予約も取れるかどうかわからないので諦めてはいませんか?

1時間ほどのクルーズで良ければ、ロンドン市内のリトルベニスから運河クルーズが体験できます。
ナローボートがどんなものか知るのには手軽で良い機会だと思います。

ロンドン市内の1日ツアーに、ちょうどよくナローボートが組み込まれています。
午前中は、イギリス人のお宅でお菓子レッスンかアフタヌーンティレッスンを受けてから、ハムステッド・ヒースのケンウッド・ハウスを見学し、その後カムデンロック~リトルベニスまでのナローボートの運河クルーズを楽しめます。

詳細は、次をご覧ください。

英国人のお家でお菓子作りとケンウッド・ハウス観光+ナローボート運河クルーズ or パブ体験<日本語/ロンドン発>


ロンドン市内のナローボート

ナローボートについての書籍は、秋山武志さんの著作しかないようです。
ナローボートに乗る前に読んでおくと大変参考になります。
秋山武志さんのナローボートやイギリスの運河の著作